松本清張記念館研究誌 『松本清張研究』第23号
今回の特集は「清張と東アジアⅡ」です。「清張と東アジア」は第12号でも取り上げていますが、近年の東アジアでの清張作品の受容や翻訳に大きな変化が見られることや、「東アジア文化都市北九州」の開催により日中韓の三か国で様々な文化交流が行われたことから、記念館でも東アジアに注目し、改めてテーマとして取り上げることにいたしました。
依然続くコロナ下で当誌の刊行も三回目を数えます。対面の難しさから選択した往復書簡というスタイルでは、ノーベル賞作家の莫言氏をお迎えする幸運に恵まれました。長い交誼で培われた藤井省三氏への篤い信頼によるものです。
2022年は松本清張の没後30年にあたります。今後も、時代と社会、人間を鋭く問う清張作品の可能性を見つめ、その探求精神を継承していきたいと思います。
清張と東アジアⅡ
往復書簡
・「人間の運命と苦悩する魂を描く」
莫言・藤井省三
論文
・「2000年以降の中国における松本清張の受容」
尹芷汐
・「韓国での松本清張小説の受容」
安慧娟
・「占領下の日本における黒人兵の表象と実態」
岡田泰弘
現地レポート
・「韓国近代文学館」
咸苔英
・「国立台湾文学館」
岡華斌
シンポジウム
・「東アジアの中の邪馬台国」
記念講演
・「邪馬台国の時代」
倉本一宏
パネルディスカッション
倉本一宏・片岡宏二・北橋健治・久米雅雄(コーディネーター)
エッセイ
・「極小の詩」
穂村 弘
・「ポストコロナの時代に「砂の器」を読む」
神里達博
記念館研究ノート
・「評伝抄 松本清張」
栁原暁子
・「韓国・中国での清張受容〈新境地〉の芽生え」
中川里志
