研究誌『松本清張研究』第22号

松本清張は推理小説でよく知られていますが、創作活動は多岐にわたり、ノンフィクション作品も生涯に多数執筆しています。『小説帝銀事件』や『日本の黒い霧』では、ノンフィクションの形で占領期に挑み、『現代官僚論』では国の各省庁に目を向けています。

今号では、ジャーナリスティックな清張作品、ジャーナリストとしての松本清張、現在のジャーナリズムに呼び起こされる松本清張など、さまざまな角度からジャーナリズムと松本清張を照らし出します。
(2021年3月31日発行)

特集 清張とジャーナリズム

対談
・松本清張、横断する<作家>――フィクションとノンフィクションを超えて/池上彰・佐藤優

論文
・ジャーナリズムの視点から見た松本清張/保阪正康 
・『日本の黒い霧』における固有名の戦略――歴史の中のジャーナリスト松本清張――/小森陽一 
・松本清張の同時代ジャーナリズム批判――『小説帝銀事件』という試み/高橋敏夫 
・『白と黒の革命』が映す日本社会の中東観――松本清張と国際ジャーナリズム/高橋和夫
・松本清張と昭和円本時代/小田光雄
・観光ミステリとしての『黒の回廊』/東秀紀 

再録
・現代新聞論――いま何を報道すべきか〈対談〉/桑原武夫・松本清張   
・私感・戦後史――事件と報道操作――/松本清張 

エッセイ
・松本清張先生と将棋/佐藤康光
・心理と実在のリアリズム/塩田武士

寄稿
・小津安二郎の『点と線』――鉄道を描いた両巨匠の同時代性/赤塚隆二

記念館研究ノート
・松本清張と女中もの文学――あるいはお手伝いさん、家政婦の視点/栁原暁子   

『松本清張研究』第22号

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