研究誌『松本清張研究』第26号
今回の特集テーマは、「松本清張晩年の大作群」です。
「書きたいことがあるのに残された時間がない」というのが清張の口癖でした。
その言葉どおり旺盛な好奇心・探求心や驚異的な挑戦意欲、天才的な努力により
晩年に至るまで大作群を執筆し続けました。 生涯現役を貫いた清張の生きざまは、人生100年時代と言われる現在の日本で、高齢者の方々に勇気を与えてくれるのではないでしょうか。
(2025年3月31日発行)
特集 松本清張晩年の大作群
座談会
・衰えぬ創作の炎 担当編集者が語る作家の実像/木俣正剛・堤伸輔・齋藤陽子
論文
・一九三三―三四の「歴史地図」 ――松本清張「神々の乱心」を読む/成田龍一
・『赤い氷河期』―薬害エイズ禍の近未来サスペンス/綾目広治
・松本清張と文藝春秋と週刊文春
――『十万分の一の偶然』と『彩り河』を中心として/酒井信
・陰謀と観光―松本清張「霧の会議」を読む/山本幸正
特別寄稿
・資料紹介 中島利一郎宛松本清張書簡・続/松本常彦
特別インタビュー
・清張作品から読み解く”日米関係の暗部”/手嶋龍一
エッセイ
・文学模擬裁判と松本清張の親和性/札埜和男
・『砂の器』と『笑うマトリョーシカ』/早見和真
記念館研究ノート
・二つの「玉腕記」―松本清張と井上靖(一)/中川里志
