松本清張記念館研究誌 『松本清張研究』第17号
17号の特集テーマは「清張と戦争」です。
戦後七〇年というこのひとつの節目に、清張が「戦争」をどう描いたかを再考します。
四〇年の作家生活を通じ、清張がいかに戦後史への視線を深化させたかを考察する半藤氏・小森氏の対談をはじめ、
論文、エッセイ、そして貴重な再録など清張作品の魅力を多面的にお伝えします。
(2016年3月31日発行)
『松本清張研究』は、全国の第一線の研究者を網羅し、
さらなる研究の推進と後継者の育成をめざして、年一回、
記念館で発行する研究誌です。
清張と戦争
特別対談
朝鮮の風景・衛生兵の日常 ――清張の軍隊生活 半藤一利・小森陽一
論文
・ハンドウを回された男 ――『真空地帯』への『遠い接近』―― 山田有策
・「黒地の絵」論 ――戦争のもう一つの悲劇に迫る虚構 綾目広治
・戦争の偏在/戦場の不在 ――『絢爛たる流離』のリダンダンシー 紅野謙介
・引揚げの記憶を表象/隠蔽すること ――松本清張「赤いくじ」論 久保田裕子
・固有名と無名 ――『象徴の設計』の視界―― 高田知波
・松本清張が書いた戦争 ――火野葦平などと比較しながら 小林慎也
・折れた剣 ――弥生社会から見える古代国家 高島忠平
エッセイ
・『厭戦』にみえる針尾佐平の死について 直木孝次郎
・権威でありたい 田中慎弥
再録
・「任務」 松本清張
国際共同研究の成果から
・松本清張文学の葉脈
――ル・ボン、魯迅、李光洙、本間久雄、木村毅、バーナード・ショーなど――
南富鎮
記念館研究ノート
・「黒地の絵」論 ――松本清張が北九州から見つめた世界 柳原暁子
記念館だより
編集後記
