松本清張記念館研究誌 『松本清張研究』第22号
松本清張は推理小説でよく知られていますが、創作活動は多岐にわたり、ノンフィクション作品も生涯に多数執筆しています。『小説帝銀事件』や『日本の黒い霧』では、ノンフィクションの形で占領期に挑み、『現代官僚論』では国の各省庁に目を向けています。
今号では、ジャーナリスティックな清張作品、ジャーナリストとしての松本清張、現在のジャーナリズムに呼び起こされる松本清張など、さまざまな角度からジャーナリズムと松本清張を照らし出します。
清張とジャーナリズム
対談
・「松本清張、横断する<作家>――フィクションとノンフィクションを超えて」
池上彰・佐藤優
論文
・「ジャーナリズムの視点から見た松本清張」
保阪正康
・「『日本の黒い霧』における固有名の戦略――歴史の中のジャーナリスト松本清張――」
小森陽一
・「松本清張の同時代ジャーナリズム批判――『小説帝銀事件』という試み」
高橋敏夫
・「『白と黒の革命』が映す日本社会の中東観――松本清張と国際ジャーナリズム」
高橋和夫
・「松本清張と昭和円本時代」
小田光雄
・「観光ミステリとしての『黒の回廊』」
東 秀紀
再録
・「現代新聞論――いま何を報道すべきか〈対談〉」
桑原武夫・松本清張
・私感・戦後史――事件と報道操作――
松本清張
エッセイ
・「松本清張先生と将棋」
佐藤康光
・「心理と実在のリアリズム」
塩田武士
寄稿
・「小津安二郎の『点と線』――鉄道を描いた両巨匠の同時代性」
赤塚隆二
記念館研究ノート
・「松本清張と女中もの文学――あるいはお手伝いさん、家政婦の視点」
栁原暁子
